あ、危ない!
もう少しで、ドアに顔をぶつけるとこだった!!
「誰?」
頭上から聞こえる声に、視線を上げる。
そして息をのんだ……
な、なんてきれいなお顔!!
スッとした輪郭に、切れ長のブラウンの瞳。
ふんわりとしたダークブラウンの髪。
すらっと高い背丈。
とにかくすべてがパーツが完璧に見えた。
こ、こんな人が世の中にいたなんて……
って!!
見とれてる場合じゃない!!
「あ、あの、あたし今日から隣に引っ越してきた、堀木美乃里[ほりきみのり]といいます!これ、お菓子です!食べてください!!」
緊張してたせいで異常に早口になったけど、まぁ、伝わっただろう……
「あぁ、お隣の人」
「は、はいっ!」
「朝からうるさかった原因、これかよ……」
「え?」
「いや、なんでも。これ、もらっていいの?」
差し出している箱菓子を見て、そう尋ねてくる。