「やばい。めっちゃ嬉しい。ありがとう、美乃里」
本当に嬉しそうにそう言ってあたしを抱きしめる蜜くん。
よかった―……
喜んでくれて……
「でも美乃里、これ高かったんじゃ……」
「大丈夫!」
「大丈夫って……」
心配そうに顔をあたしに向けてくる。
蜜くんだってこの指輪十分高いと思うんだけどなー。
「じ、実はね、バイト代で買ったんだ。これ」
「え?」
「工くんにどうしてもって言われたのも本当なんだけど、実はこれが欲しくて、バイトとっさに引き受けちゃったの」
「っ……」
工くんがバイトの話を持ちかけてきたとき、本当にチャンスだと思った。
今からバイトしとけば、クリスマスまでに間に合うと思ったから……
だから蜜くんに相談することもせずに、とっさに二つ返事でOKしてしまったんだよね……
蜜くん……呆れたかな……
「はぁ―……」
――ズキッ


