……あぁ、そうか。


「怖かったね」


「へ?」


そうだよな……


「あんな風に知らない人に声をかけられたら、誰でも怖くなっちゃうよね」



「っ……」


頭をなでると、瞳に涙をためて俺を見上げる。


っ……


「美乃里ちゃん」


――ギュッ


「え……」


そっと引き寄せ、抱きしめた。


なんだろ……この感情。


ほっとけないというか、なんというか……




とにかく、犬みたいなこいつを気に入ってしまったみたいだ。