「な、なんであたしが……」
加央里が眉を寄せる。
「じゃなきゃわざわざこんな離れたとこまで来ないだろ？いくら嫌がらせでもさ」
「っ……」
「一人で暮らしてる美乃里が心配だったんじゃねぇ？」
加央里があたしのことを心配した……？
そんなわけ……
「あ、あたしが心配なんてするわけない！あたしはあんたのことが大嫌いなのよっ！！」
「加央里っ！！」
――ギュッ
走り去って行こうとする加央里を追いかけようとするあたしの手を掴んだ蜜くん。
「今は追いかけない方がいい。加央里ちゃんも心の整理が必要だ」
心の整理……
そう……だよね。
「うん……わかった」
今のあたしたちには時間と距離が必要なのかもしれない……
あまりにも今まで近すぎたからこそ、時間が……
でもいつか……
いつか……
ちゃんと姉妹に戻りたいよ……加央里。
