ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~



『ありがと。大丈夫だよ』


毎日その言葉だけ送り返していた。


工くんも一度だけ連絡をくれた。


『無理するな』


ただその一言だけ。


きっと工くんには何かあったって感ずかれているんだろうな……


そのうち何をするわけでもないまま、外が夕日に染まり始めた。



蜜くん遅いな―……


そんなこと思う自分が浅ましく思う。


捨てられていいなんて思いながら、こうやって帰りを待ってる。


料理も作ってない。


今のあたしには価値なんて全くないのに、それでもいいからあたしのそばにいてほしいと思ってる。


あたし……


ほんとにどうすればいいんだろ……?


このまま蜜くんに捨てられるのを待つだけでいいのかな……?


これであたしは何か変われるの……?


「っ……」



言葉にならない感情が涙になってあふれてくる。