「そ、そう。幸せそうでよかった」


「サンキュ」


って、お礼いうのもなんか変か。


「なぁなぁ、蜜。これ貸してやるよ」


「は?」


「姉貴の部屋からお借りしてきた」


お借りしてきたとか言ってるけど、絶対黙ってもってきたな。


康平から受け取った雑誌。



『デートスポット100選』


デカデカと書かれた表紙の文字。


「この雑誌の―……ここ!ここ!!」


その雑誌のある一ページに付箋が貼ってあり、そこを開いて俺に見せてくる。


「蜜が行く水族館ってここだろ。いろいろイベントしてるみたいだし、ちゃんと下調べしていけよ」


そこにはイベント企画やら、近くのおすすめな喫茶店などが掲載されてる。