「……」
「あたし、携帯用の風邪薬持ってるから、それ飲ませとけば大丈夫だと思う」
ダメだ……
勝てない……
あたし知ってた。
蜜くんがたくさんバイトを頑張ってること。
眠る時間を削って、一生懸命働いてること。
なのに……何もしてあげられてないだけじゃなくて、もっと困らせて……
それに……あたし知らなかった。
蜜くんが季節の変わり目に体調をよく壊すことなんて……
この人は知ってたのに……
この人は……蜜くんと何度も季節を越してきたんだ。
そう思うと、胸がチクチクと痛んだ。
「ねぇ、あなたチワワに似てるとか言われたりしない?」
「……え?」
まさかの質問で意味がわからなかった。
「あっ、ごめんなさいね。もしかしたらと思って」
もしかしたらって何?


