なんで……?


なんで蜜くんがそんな顔するの……?




なんでそんな……



悲しくて傷ついた表情を……



「美乃里……」


そっと頬に添えられる蜜くんの手。


――ビクッ


嬉しいはずなのに、体は正直に震える。



「っ……」


あぁ、また悲しい表情。

苦しそうな顔。



――ちゅっ


そんな蜜くんの顔がゆっくりと近づいてきて、そのまま唇が重なった。



っ……


「ごめんな……」



それだけ呟いて、蜜くんはあたしの部屋から消えていった。



――パタン


ゆっくりと閉まるドアを見つめながら、あたしの瞳からはそっと涙がこぼれた……