いつもの美乃里じゃないことにこんなに動揺している自分がいる。
「あっ、そうだ。美乃里にこれ渡そうと思って」
「え……?」
ポケットから取り出した赤チェックの紙袋。
「チワワ……?」
紙袋から取り出したそれを不思議そうに見つめる。
「かわいい……」
あっ……
頬がゆるんだ……
その笑顔にホッと胸をなでおろした。
「今日さ、買い物先で見つけて」
「え……」
「見つけた瞬間この犬が美乃里に見えて、それで……」
「いらない」
「……は?」
クシュッとされた紙袋と、チワワのマスコットが押し返される。
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