「九十九君」

譲原は僕の言葉を遮るように透き通るような声を放つ。彼女の真剣な顔に思わず目を見開く。

「とっとと着替えて下に来てください。話はそれからです。」

譲原は机に投げ捨てられた僕が着ていたスーツを指さし踵を返し下に下りて行く。