──1年後──

「龍二、覚えてる?

今日はウチ等が初めて出逢った日なんだよ、


龍二、よく言っていたよね。

『俺がお前の事拾っていなかったらお前今頃どうなってたんだろうな。
そんなちっせぇ体にいろんなもん溜め込んで。
もう大丈夫だからな。俺がついてるから。』って。


嬉しかった。涙を堪えるのに必死だった、

ウチさ寝てる振りしてたけどホントは起きてたんだよ。」


返事が返ってくる筈もないお墓に向かって話しかける。


「そうだ、龍二、
龍二が守ったあの子ね今も元気に過ごしてるよ。
お兄ちゃんありがとうって伝えてくれだって。

虎太郎、お父さんお母さんも元気だよ。
まだみんな完全に立ち直れた訳じゃないけど、
少しずつ前の明るさを取り戻してる。

…でも、
やっぱり龍二がいないと寂しいよ……。」