ゴゴゴゴゴゴッ



そこらじゅうから地鳴りが鳴り響く。

アイツが地中を移動しているのだろう。



「さぁ、出てきなさい!地中から出てきたら、ハンマーで頭ぶっ叩いてやるわ!」


ロイと凛の近くの家が沈み始めた。
ドン、ドン、ドン

家が崩れる音や軋む音が町全体に鳴り響く。

仮想の空間とはいえ、ロイは自分の故郷が崩れゆくさまを見て、呆然としていた。



ゴゴゴゴゴゴッ....................
どんどんその音は大きくなり、やがてその音が最大に達した瞬間、地中からデーモンは姿を表した。


まるで、大きなミミズのような体に、頭部には大きな牙があるバケモノだ。
よく見ると、人の顔のようなものも見受けられる。

地中にまだ体は埋もれているが、出ている部分だけでも8mはあるだろう。


この巨体をどうやって打ち倒せばいいのかロイには想像すらつかなかった。



凛は果敢にも、小さなトンカチのみで向かっていった!
「くそくらえー!!!!」

凛のトンカチが思いっきり、デーモンの胴体に叩きつけられる。


しかし、全く効いていない。
凛の方向にデーモンが体制を向き直すと、デーモンは牙を向け、凛に突撃した。
さすがの凛もひるみ、まったく動けない。



そして、凛にデーモンの頭部が直撃し、衝撃で瓦礫の中に吹き飛ばされた。



ロイは瓦礫の中でうなだれている凛を見て、足がすくんでしまい、地べたに座り込んだ。