お腹がグーっと鳴ってしまい、恥ずかし過ぎるけど。



朝から何も食べてないし、もう夜だし、お腹がすいて同然だと思います。



「みんなで飯に行こうか。」



「明日も撮影あるから駄目だ。加納は早く帰って寝ろ。」



明日も撮影あるんですか。



アパートに帰って、カップ麺でも食べよう。



「三枝木、加納を家まで送ってやれ。あ、それと、加納何もつげずに寝るように。」



何も着けないで寝るとは?




裸で寝ろと言う事ですか。




そんなの無理。



「下着の後がつくと、明日の撮影に触りますので、食事は控えめにお願いしますね。」



そんなぁ。



ガッツリ食べるつもりでいたのに。



「加納に弁当を渡してやれ。野菜中心の特別な弁当だからな。」



お弁当貰えるだなんて、なんて、ラッキーなんだ。



今月もかなりピンチだし。



もしかして、毎回お弁当がもらえるのかな。



お弁当貰えるなら、明日も頑張れそうな気がする。



浮かれていると、直人が近づいて来た。



「真凛ちゃんだよね。最初から分かってたよ。」



やっぱり、ばれてましたか。



履歴書見れば名前で分かるし。



真凛だと分からない、氷室拓斗の方がおかしい。



「拓斗は全く気づいてないみたいだけど、俺が家まで送るよ。」



断りたいけど、腕を捕まれて動けない。



「加納さんは俺が送るからね。」



氷室拓斗は何も言わない。



もう、なんか言いなさいよ。



止めなさいってば。



そのまま、氷室直人の車に押し込まれた。



人生最大のピンチをどう乗り越えようか。