次の日は拓斗と二人で観光する事になり、何処に行きたいか聞かれたから、小樽に行きたいと言った。


レンタカーを借りて小樽に行く事になったが、本当に観光して良いのか、怖くて聞き出せないでいると。



「華は帰ったから、二人で小樽に行くぞ。」



嬉しいけど、何かありそうで素直に喜べない。


優しくされる事に慣れてないから、不安なんだ。


思わずため息がでた。



「楽しくないのか。」



「これってバツゲームとかじゃないよね。」


拓斗が私を睨んだ。


だから、危ないって、前を向いて運転してよ。


「バツゲームにしてほしいのか。」


いえ、いえ、そんな事はありません。



「色気も可愛げもない奴だな。」


もう、本当にやだ。


なら、もっと、色気のある女を誘えばいいでしょ。


いじけていると、小樽に着いたと言われた。


車を降りるとすごい人混みで、拓斗が手を繋いで歩いてくれるけど、手汗が半端ないから離してほしい。


「何を緊張してるんだ。」


緊張するに決まってるわ。


好きな男と恋人繋ぎで歩いてるんだから。


心臓の音が凄くて、体に悪そうだ。


拓斗がゲラゲラ笑いだす。


やっぱり、バツゲームだな。


小樽運河の前で声をかけられ、何故か二人で人力車に乗ることになり。


恋人に間違われたようです。


拓斗はなんだか楽しそうだけど、私は全く楽しめなかった。