君 の た め に 嘘 を つ く

「お兄ちゃんっ!?」

バンっと音を立てて、小さなアパートの

一部屋をあけた。

このアパートはビルとビルの間にある昔

からあるアパートだ。


「なに?急いで帰ってきて?」

お兄ちゃんがいた。

いつもの太陽のような笑顔を私に見せた。

だが、手や頬の数カ所にはあざがあった。