それから電車がくるまでの間、30分。 あたしは待合の一番後ろの列の左端に座って、水蒸気を眺めてて。 彼は待合の一番前の列の右端に座って、ずっと携帯をいじってた。 たまに湯気に隠れちゃう金色の髪は、あの日すごく綺麗にみえた。 ほんとのはじめましてはこの時。 けど、瞬はきっと知らないと思う。