俺はちとせから腕を離して、「なんでもねえよ」って口角をあげた。



「でもなんか・・」


「ん?何だよ?」


「ううん・・・。」



そんな不安顔すんな。


ってさせてるの俺か。


お前はあの夢の中のちとせみたいに


顔真っ赤にしてはにかんでたらいいんだよ。



俺はちとせの頬に手を添えて、


小さな唇を奪った。



「・・・も、一回・・・して?」



ちとせは頬を赤らめて、可愛い声でつぶやいた。



「うん。」



ちとせの唇に唇を重ねて、


小さな頭を撫でた。



「・・・ふふっ。ありがと。」




はにかんで、真っ赤な顔が俯いた。



夢なんかより、ずっといい。




俺がちとせを見つめてると、ちとせは何か言いたそうに、こっちを見上げた。