「…暑くね?」
彼はぽつりと問いかけた。
「少し・・・。」
あたしが答えると不機嫌そうな表情は変えず、彼は鞄の中から細い棒みたいなものを取り出した。
それを柵に差し込んで石油ストーブの出力を下げると、また一言。
「寒くなったら言え。」
「ありがとう。」
あれ・・なんか。
いい人?
彼は椅子に戻って、けだるそうに時計を見上げた。
再びしんと静まりかえった待合室。
5分くらい静けさが続いて、突然彼が口を開いた。
「・・・お前、南高生?」
「うん。あなたは北工生だよね?」
彼はあたしの問いかけにこくりと頷いて、もう一度黙りこんで、携帯をいじってる。



