「なんでって…」 言いたくないなぁ…。 「どうせ、浮気でもされた揚句の果てに捨てられたんでしょ?」 うっ、幾姉ちゃん…。言い難いことをズケズケと…。 「え?有栖、図星なの?」 雅姉ちゃんがみかんを食べる手を止めて、真顔でこっちを見る。 「…」 「可哀相な有栖…」 か、母さん…。 「『有栖』って名前だからって、婚約者取られるところまで真似しなくても良かったのに」 って、母さん、あんたたちがつけたんでしょっ、この名前っ。