フェイント王子たち


「…もしもし」

『あ〜、やっと繋がった』

「すみません、気がつかなくて」

『いえ、こっちこそ、遅い時間にすみません。高橋ですけど、分かりますか?』

「はい、不動産屋の高橋さんですよね」

「ん?不動産屋の高橋…」

大吾がジロッとこっちを見る。そうだ、大吾につい言っちゃったんだった、高橋さんの名前。

『そうです、良かった。覚えててもらって』

「どうしたんですか?」