フェイント王子たち


「アリおば。…アリおばっ」

大吾に腕を突かれて、大吾の方を見る。

「鞄の中でケータイが震えてんじゃないの?」

「え?」

そういえば、朝映画見たんでマナーモードにしてそのままだった。椅子の背にかけていた鞄を開けてケータイを取り出す。ホントだ震えてる。

「…え?」

「早く出ないと切れちゃうよ」

大吾に急かされて、心の準備が出来ないままその場で電話に出る。