フェイント王子たち


「じゃ、ゆっくりしてってね」

「はい」

マスターは私達の隣のおじ様達の空のグラスに注ぎに行った。

「辰巳昭次って、歳いくつだっけ?」

と、不意に川合。

「私達より一つ上。だから、呼び捨てにしないのっ」

「あ〜、そう」

「そんなに見ないのっ」

「いいじゃんか、見るくらい。辰巳昭次に会いに来たんだから」

「だから呼び捨てに〜」

「わかったって。本人には言わねーよ」