フェイント王子たち


「え、だって、俺達、今朝も食ったんですよ」

「いいから、いいから」

川合は力無く大吾に先に選ぶように勧めた。

「なんかすみません。じゃ、俺、こっちで」

残った一つを川合が自分の方に引き寄せ、一口食べる。

「あっ、美味いじゃん」

「そう、美味いのよ、ここのケーキ」

「小瀧のも、ちょっとくれよ」

「嫌よ〜」

「いいだろ、ケチ。減るもんじゃあるまし」

って、言いつつ、川合が私のケーキをフォークでサッと一欠けら取った。

「減るでしょ〜っ」