フェイント王子たち


「人の顔で遊ばないのっ」

「フッ。ハッピーになっても、うちのケーキたまには買いに来てよ」

と、言うと中岡くんは私の頬っぺたから手を離した。

「もちろん。中岡くんちのケーキ、美味しいもんね」

「じゃあ」

と、中岡くんはドアノブに手をかける。

「いってらっしゃ〜い」

って、送り出そうとしたら、中岡くんがドアの前に立ち止まった。

「…」

「どうしたの?忘れ物?」

ゆっくり中岡くんがこちらを振り返る。