フェイント王子たち


大吾のいた場所に座り直す。

「あっ、そっちいっちゃうんだ」

「だって、この方が勝負しやすいでしょ」

「…隣でもいいのに」

「ん?」

「はい、負けたのアリちゃんだよ、配って」

中岡くんはテーブルのカードをズズっとこっちに寄せた。

「はいはい」

「あ、ポーカーやめて、豚のシッポしようよ」

「え?あれってなかなか勝負つかないよ?」

「いいじゃん。どうせ、大吾が風呂から上がるまで時間あるんだから」