大吾の『救世主』発言があってからも、何も変わらない日々が過ぎた。いや、変わった事といえば、会社の昼休み、 「それで、カレシがさぁ〜」 っていう、美沙のノロケを聞く事が増えた。 「ところで、有栖、最近『Noise』に行ってないでしょ?」 「うん、行ってない。大吾は行きたがってるけど、何となく行きそびれてる」 「昭次さん、有栖に会いたがってたよ」 「え?」 「実は、昨日カレシと行ったんだぁ」