大学が始まる4月までの間、大吾はほぼ毎日観光に出掛け、たまにはスイーツも買ってきてくれた。私は3月は決算期で仕事が忙しく、結局美沙も『Noise』に行ける事もなく、慌ただしく4月を迎えた。 「大吾、ちゃんと大学の場所、覚えてる?」 大吾の入学式の日、向かい合って朝食のパンを食べながら、スーツ姿の大吾を見る。 「覚えてるよ」 「遅れないように行きなさいよ」 「わかってるって」