「…鍋なんだ」 「文句ある?」 亮義兄さんが帰ってしまったその日の晩御飯、台所のテーブルに大吾と二人向かい合ってテーブルの上にセットしたカセットコンロに乗せている鍋を煮えるのを見つめている。 「…昨日も鍋だったよね?」 「そうね」 「…アリおば、本当に料理出来るの?」 「鍋だって立派な料理でしょ」 「…」 「さぁ、もういいんじゃない?いただきます」