フェイント王子たち


「こ、これから読むから、いいじゃない」

「アリおばは絶〜対、読まないっ」

何よ、そのいい方、なんか、イラッとしてきた。

「なんであんたにそんなわかるのよっ」

「絶対、ハードボイルドの世界観がアリおばにわかるとは思えないっ」

「なんでよ〜っ」

「だって、男の、価値観とか世界観がわかってたら、結婚相手に捨てられたりしないでしょ」

バシッ!

「痛っ」

気付いた時には、私の左手はスナップを利かせて大吾の後頭部をはたいていた。