フェイント王子たち


私は、立ったまま大吾を見下ろす。

「机の上って、あ〜、本って、教科書なの?」

「違う。アリおばは絶対読まないような本」

何よ、そのちょっと小馬鹿にしたような言い方。

「こいつ、ハードボイルド小説に凝ってんだよ、いっちょ前に。コーヒー頂きま〜す」

「あ、どうぞ」

へ〜、ハードボイルドねぇ。

「…アリおば」

「ん?」

何よ、今度は上目遣いで。

「…砂糖とミルク」