フェイント王子たち


「ま、早いとは思わないよ、もちろん」

「…」

「母さんたちは、単に有栖が心配なだけなのよ」

「心配?」

「結婚相手に振られて、ショックでこのまま一生結婚しないかもしれないって」

「そりゃまあ、ショックではあったけど…」

「だからと言って、恋愛を諦めたわけじゃないんでしょ?」

「…うん」

「お待たせいたしました」

さっきのウェイトレスがコーヒーを置いて去る。