フェイント王子たち


高橋さんは、用紙を手に取って記入漏れがないかをしっかり確かめると、こちらに笑顔を向けた。

「はい、大丈夫です。これで契約成立です」

「ありがとうございます」

「来月からの契約なので、鍵は来月の1日にお渡しになりますけど、宜しいですか?」

「はい、じゃ、1日にこちらに取りにくればいいですか?」

「そうですね」

「わかりました」

「有栖さん、今からどちらかに行かれますか?」