フェイント王子たち


電話では、『有栖さん』だったのに、今度は『小瀧さん』か。ん〜、気にし過ぎかな。

「どうぞ、座って下さい」

カウンターに座るように促され、高橋さんと向かい合って座る。

「では、早速ですが、最初に見た方のアパートで宜しいんですね」

「はい」

「こっちでは『壁ドン』は難しいですけど、大丈夫ですか?」

「あ…」

「ははっ。大丈夫ですよね。すみません、つまんない事言って」