フェイント王子たち


だってぇ、ビックリしたんだもんっ。不可抗力の事故とはいえ、あんな大胆に抱きつかれたら誰だってドキドキしちゃうよ。
そんな私のドキドキは全く高橋さんには伝わらなかったみたいで、高橋さんは懐中電灯で照らしつつ、淡々と部屋の説明をしていく。

「…とまぁ、言ってもこの暗さでは、わかり辛いですよね?」

「ええ、確かに」

「またにしますか?」

「そうですね」

と、いうわけで、足元に気をつけながら、私たちは部屋を出た。