フェイント王子たち


美沙が高橋さんの方を照らす。

「いや、お二人の靴に躓いちゃって…」

と、申し訳なさそうにひょこっと頭を下げる。美沙が玄関の方を照らすと私たちの靴が派手に散らばっていた。

「あ〜、すみません」

高橋さんは急いで靴を並べ直す。

「高橋さん、懐中電灯は?」

と、美沙。

「あ、それが2つしか車に乗ってなかったから。ははっ。」

ははって…。う〜、まだなんか背中に高橋さんの存在が残っちゃってるよぉ。