「おまた~」
「卑猥。万結ちゃん」
「しおちゃん・・・。今更だよ、万結ちゃんが変態で卑猥な事は」
「菫ぇ~。・・・どう辱めて欲しいんだ?ん?全裸で首輪でもつけて、校区内四つん這いで散歩するか?」
「案の定のドS頂いたね!」
「だね」
ここは、陽光の家の前。
確か、前陽光が「ウチ、鍵かけてないんだよね」と言っていたのを思い出し、この誕生日サプライズが、誕生したのだ。
「万結ちゃん、持ってきた?」
しおりが、聞く。
「モチっす、ロンっす」
しおりが聞いたのは、この前、3人で作った例のモノの事だ。
あたしの家の冷蔵庫で、三日三晩眠っていたそれは、今、あたしの右手に握られているビニール袋の中で、少しずつぬるくなっていく。
「そんでは」
ドアノブを捻ると、案の定、ガチャ・・・と音がして、簡単にドアが開いた。
確か、陽光の入っているソフト部はまだ部活やってたから、家にはいないはずだ。
で、ご両親も共働きだし、妹ちゃんは小学生だし、家には誰もいないことになる。
「おっじゃましっまー・・・す」
し・・・んと静まり返る陽光の家の中は、思った通り誰もいない様だ。
「靴、隠しとけよ」
「うん」
「オケー」
抜き足差し足忍び足で、陽光の家の廊下を歩く。


