キーンコーンカーンコーン
「きりーつ、きをつけー。・・・さよならー」
「さよならー」
学級委員が号令をかけ、教室が騒がしくなった。
「うあー。部活じゃー」
「筋トレあるかね？」
「あんじゃね？」
各々自由な会話を交わしながら、帰りの支度をする。
「うっし」
「万結～、部活行こー」
「おーす」
同じ部活に所属する友達に呼ばれ、あたしは教室を出た。
昇降口に行く前に、あたしは必ず菫のクラスの前を通る事になる。
菫は今、1番廊下側に近い席だ。
まだ、ＳＴ中だけど、目配せして、菫とコンタクトを取る。
―あとでね
―うん
「万結～？何、見つめあってんの？」
「見つめあってねぇし！」
