「それでは。気を取り直して」
菫が、あたしの眼鏡をかけ、つるを押し上げる。
「どんなサプライズがいいかなあ?」
「学校でやんの?それとも誰かんち?」
「あー。だよね。それ決めないとね」
「う~ん・・・」
熟考すること、約30分。
「もうさ、陽光んちでやんない?」
あたしのこの1言で、場所は決定した。
「じゃあ、場所は決まったから。なにをやるか、だね」
菫が顎に手を当て、考えるふりをする。
あたしは、あぐらをかきながら、ボーっと壁に貼られている数多のポスターを眺めた。
しおりは、体育座りをして顔を、膝にうずめている。
「・・・コメディ?」
ふと、目に入ったのは、ラブコメアニメのポスター。
「あー」
「おー」
菫としおり。2人同時に別々の声をあげた。
さらに目に入ったのは、探偵もののアニメのポスターで。
「・・・こうさ・・・。なんつーの?陽光を拉致って・・・なんかする~みたいな?」
「それはコメディに収まるのだろうか」
正論です、しおりさん。
「・・・バスケでなんかやるとかは?」
菫の目に入ったのは、バスケアニメのポスターだろう。


