泥棒。金銭目的でやることが多い。だが、私は違う。私は、人が嫌だと思う、記憶...その「時間」を奪う。その「時」を無かったことにする。
それが、時間泥棒の仕事さ。
「ーー出たぞ!時間泥棒だ!時間泥棒.....今度はだ誰の時間を盗みn.....」
見つけた。嫌な記憶をなくしたい人。そうか、好きな人に振られたのだな....それにしても警察がこんなに記憶を嫌がるなんて珍しい。警察の時間を取るのは少し癪にさわるが、まあ、とって見せましょう
「貴方の時間、いただきますよ」
そう言って私は、彼の頭に手を突っ込み、時間を取る。
「なっ.....」
一瞬驚いた顔をした彼は、すぐに眠りについた。副作用みたいな物だ。
さて、私はここを早く去ろう。
と思ったが、私の前には奴がいた。
「待て"工"今日は通さねえぞ」
私の事を"工"と呼ぶのは、私がかつて、人間と呼べる者だった時の親友、拓だ。
だが、今は拓が警察。私が泥棒。決して、友達とも言えない関係だ。
まあ、今日も、遊んでやりますか。
「なんだい?また、やられにきたのかい?」
遊ぶといっても私が逃げればいいだけだ。今日は10秒かな?
そう思い、私は、走り出した。
「逃げられると思うなよ....」
そう言い拓は、私の前に立つ。だが、関係無く、走り続け、手を出した。時間を盗もうと思ったのだ。
だが、私の手は、拓の額に当たる。
私は、拓の時間が盗めない。まあ、気にせず、私は走り続けた。
私は、時間泥棒だ。盗めない時間は無い。
拓は、時間が進んでないんだ。そうだ。絶対そうだ.....