あれから3日が経った。あの日から彼女の姿を見ていない。
俺は毎日図書室に来ている。咲はきっとテストの結果が出るまで来ないつもりだ。でも、そろそろ来てもいい頃だと思うんだけど…………
「……………い、…………ん……い、先輩?」
ボーッとしていた俺の目の前には、気づけば彼女がいた。
「咲…………」
「珍しいですね。私のこと呼び捨てするなんて。」
あ、ヤバ…………
「ご、ごめん。呆けてたから驚いて………」
「別にいいですよ!私なんて『クロ先輩』なんて呼び方してるんだから、何と呼ばれても文句なんていいませんし。」
久しぶりに見た彼女は、いつも以上のキラキラとした笑顔を俺に向ける。
「…………クロ先輩?」
気づけば、俺は彼女のすぐ正面に立っていた。そして、ほんのりと桃色の頬を両手で包み込む。
「え、え??」
慌てる咲を見て自然と微笑んでしまうのは、喜びからか、安心からか…………
「………よかった。もう元気そうだね。」
「あ…………すみませんでした。先輩に迷惑かけちゃって。お陰さまで、もう元気です!」