まだ先輩の手の温もりが残っているように感じる。



私、まだドキドキしてる……………


きっと熱からだ。こんなに体が熱いのも、ドキドキが治まらないのも、きっと体調のせいだ。





私は、布団の裾を持ち、顔まで覆う。



『もう大丈夫そうだし』。彼のあの言葉の意味は、バカな私でも分かる。



先輩は私を心配して、隣にいてくれたんだ。



授業を抜け出してまでここに来てくれたこと、何も悪くないのに『ごめん』と何度も謝ってくれたこと、ギリギリまで傍にいてくれたこと。


『ありがとう』と一緒に『嬉しい』が込み上げてくる。



「……………テスト、絶対半分以内じゃないと…………」



じゃないと、先輩に今までの分のお礼ができないや。



そう思いながら、私は眠った。