「……………名前はまだ言ってません。でも、私も条件を付けたはずですよね?咲を傷つけたら許さないって…………」
「もちろん、俺もそれは守ってるよ。」
彼は分かってない。自分の一言が、どれだけあの子に影響を与えているかを理解していない。
「……………咲は今、保健室にいます。」
そう言った私を、目を見開くようにして見てくる王子。
「…………っ!それを俺に知らせに………?」
そんな訳ないじゃん。私は、何者かもはっきりしない人にそこまで優しくない。
「あの子はテスト期間中、ずっと熱がありました。それでも、先輩との約束を守るために…………それだけのために、体調が悪いのにテストを受けて…………さすがにヤバそうだったから、テストが終わってすぐに保健室に行かせました。」
「……………それだけ、あなたの言動と行動は重いんですよ………?」
咲は『先輩に喜んでほしい』、そう言った。でもね、私は咲に笑顔でいてほしいの。
だから私にできることはこんなことしかない。

