そう、彼は以前私のところに来たのだ。ちょうど咲と一緒にいなかった時に………
『姫野………ゆりちゃん?ちょっとお願いがあって来たんだけど。』
最初は私なんかに何の用なんだろうと思った。あとは、王子といると目立つから嫌だな、と思ったくらいだった。
『もし咲が俺の名前を聞いてきたら、みんなが言ってる呼び方だけ教えてくれないかな?』
全くもって意味が分からなかった。
『……………咲は王子とどういった関係ですか?というか、名前を教えるなっていうことですよね?意味が分からないんですけど。』
『うわー、冷たい反応。…………うん、そういうのいいね。どういった関係か………まだ教えられないな。でも、俺は君と同じくらいあの子のこと大事にしたいと思ってる。』
そう言った彼の目は、真剣そのものだった。…………彼は咲の何なんだろう。
『……………分かりました。でも、あの子を苦しませたら許さないから。私の…………大切な親友だから。』

