教室に戻ると、ゆりちゃんがお弁当の蓋を閉めたまま待っていた。
「ゆりちゃんっ、遅くなってごめんね。」
「ううん、それより何かあった?」
ドキッ!
「…………えっ?何で?」
「だって顔真っ赤よ?」
まだ赤いの!?ど、どうしよ~…………
「ほ、ほら!今日暑いからさっ!アハハ………」
「ふーん…………ま、お弁当食べよう。」
「そうだね!」
どうにか回避できたみたい………
私は買ってきた苺ミルクを飲みながら考えていた。どうしてあの人は私の名前を知っていたのだろうと。そして、『またね』という言葉は何を意味していたのかを。
その答えが分かるのはすぐ後のこと。