夕日がさっきよりも西に傾き、辺りは薄暗くなった。
「はい、着いたよ。」
「あ……………ありがとう………ございます。」
こうして会話をするだけで、照れ臭く感じる。
「あのっ!先輩の家ってやっぱり反対の方向ですよね…………?」
以前送ってくれたとき、引き返して行く先輩の後ろ姿を思い出す。
「あー……………」
あ、少し目をそらした。
「クロ先輩は…………優しいですね。今だって私を困らせないように言葉を考えようとしてくれてる。それでも!やっぱり申し訳ないです…………私なんかのために道を往復して………」
私は先輩に迷惑をかけている。そんな気持ちでいっぱいの私の頭の上には、気づけば先輩の大きな手が置かれていた。
そして先輩は微笑みながら言うのだ。
「なんでそんな風に思うの?………俺がしたくてしてるんだ。少しでも君の隣にいたいと思うからしてるんだ。だから…………これからもさせてくれる?」

