「さて、と……………

じゃあ帰ろうか。」


そう言いながら、先輩は椅子を引いて立ち上がる。


「へ?」

「……………何?不満でもある?」



「いえ!そういうわけじゃなくて!!………… だって今まで一緒に帰ってなかったじゃないですか。」



てっきり帰り道が別なんだと思ってた。送ってくれたあの日も、先輩は引き返して行った。きっと無理して送ってくれたんだ。


「ああ、そういうことか。…………気分だよ、気分。はい、さっさと帰るよ。」



かるーく受け流された気がする。それになんか納得できない!!


でも……………いっか!


私の中で一緒に帰りたいという思いの方が大きかった。