「ねぇねぇ、王子!新しい喫茶店ができたの!今度一緒に行こうよ!」

「いつになったら、デートしてくれるの~?」

「王子、今日一緒に帰ろ!」


はぁ………………

心の中でため息をつく。毎日毎日、この人たちは飽きないのだろうか。

「ごめんね、今日用事があって。また、今度ね?」

「えぇ~!?つまんないのー。」

そう言いながら、俺の席の周りから去っていく女子たち。


「王子は大変だな。」

そう言って、俺の肩を叩くのは暁 拓也(akatsuki takuya)。

「お前だって、同じようなもんだろ。」

少しあそばせた茶髪に、人懐っこい顔をしたこいつは、よく告白されている。