休み時間。
先生に呼び出され、職員室に行った帰り。教室に戻りながら、先生に言われたことを考える。
もうすぐ文化祭か……… 出し物、考えないと。学級委員をしている私にとって、これは重大なことだ。
考えながら歩いていると、前で女子に囲まれている彼を見つけた。
「あ……………」
さすが王子。近くで見ると、やっぱりカッコいいわ。
しばらく眺めていると、目があったような気がした。そして彼は、こちらに向け、ニコッと微笑む。
彼は、私のことを『咲の友人』と認識した上で笑いかけてきたのか。それとも『女子』だから?
もし、後者なら罪な男だわ…………
咲を悲しませたら、殴ってやる。そう心に誓った。