私の目の前で、小動物のように苺ミルクを飲んでいる彼女は私の大切な子。
小柄な体型に、まつげの長い二重の大きな目、白い肌。誰もが可愛いと思うだろう。男からしたら、守りたいという感情が湧いてくるだろう。
「ゆりちゃん、私、先輩のこと全く思い出せないの。どうしよう…………」
「いいんじゃないの?」
「でも、思い出したいって思うの。彼のこと、知りたいって思うの。なんでだろう?」
鈍感……………
でも、ここで私が教えたらいけない。
「咲にとって、王子は何?それが答えじゃないかな。」
「何って?」
「そのうち分かるわよ。焦らなくても大丈夫。さ、早く食べましょ。」
さあ、この子はいつになったら気づくかしら?