午後6時、部活や勉強で学校に残っていた生徒たちが帰っていく。

「そろそろ帰ろっか。」

本を棚にしまう先輩。

「あの…………クロ先輩、帰る方向私と一緒ですか?」

ふと思った。帰る方向が違うなら、一緒に帰るも何もない気がする。

「ああ、それは大丈夫。さ、帰ろ。」

「はい!」


図書室を出て、靴箱へと向かう。

靴を履き替え外に出ると先輩から手を差しのべられる。

「何ですか…………?」

「手、つなご。」

「えっ!だ、ダメですよ!そんな…………つ、付き合ってる訳でもないのに………」

「付き合ってなかったら手を繋いだらダメなんだ。」


少しふてくされたように言うクロ先輩。